2013年9月1日日曜日

作家プロフィール 勝部 翔太

勝部 翔太 作
1991年生まれ 島根県在住

 彼のこの人形の素材は、雑貨店で売られている「アルタイ」という商品名の、袋などの口を括るための針金である。(おせんべいの袋を閉じるのによく使われている)小さなハサミや爪切りをスピーディーに使い分け、見る見る内に5〜6分で1体を作り上げていく。
 人形のサイズは約3㎝。きわめて極小なのにもかかわらず、躍動感みなぎる生き生きとした形である。目を近づけてよく見ると、その迫力にはドキリとするものがある。モチーフのイメージはアニメ−ションの中の戦士達だが、既存のものの模写ではなく一体一体が彼流のデザインになっている。
作り始めると迷いなく、完成形は既に見えているかのように、手が止まることはないのだ。彼の素早い手技はリズミカルで、職人のように動きに無駄が無い。
 この制作は10歳の頃から始まったようだ。それにしても、何故この小ささなのだろうかと思い、彼に尋ねてみると「作りやすいから。」と単純明快な答えが帰ってきた。確かに彼は手の内サイズの触覚的な作業から、とても心地良い感触を得ているようだ。


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