2013年9月2日月曜日

作家プロフィール 狩俣明宏/佐久田祐一/上里浩也/亀沢克弥

狩俣 明宏 

浦添市在住
所属:社会就労センターわかたけ

平成20年、沖縄県内のアウトサイダーアーティストの一人として沖縄のニュース番組の特集で紹介された。そこには、施設で働いたあとの日課として、バス停のベンチに座り、通過するバスを一台一台見送りながら、路線名と運転手さんの名前を呟いている狩俣さんの姿があった。かつては、停車したバスの乗車口の階段を駆け上がり、運転手の名札を確認しては駆け降りるということを日課にしていたことも。
バスだけでなく、運転手、行き先・経路至るまで愛着を持って収集した膨大な情報が、作品の独自性を生み出している。学齢の頃から始まり、今も飽きることなく繰り返しバスや運転手を描き続けている。

展示経歴

2001年  アートキャンプ2001「素朴の大砲」展(浦添市美術館)

2006年  アートキャンプ2006「素朴の大砲」展(浦添市美術館)

2008年  アートキャンプ2008「素朴の大砲」展(県立博物館・美術館)

2009年  スピリット・アート・ミュージアムに掲載(インターネット)

2010年  アール・ブリュット ジャポネ展(フランス)

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)

           「乗りもので行く」展(栃木県・もう一つの美術館)




佐久田 祐一 

浦添市在住  
所属:社会就労センターわかたけ

小さい頃から粘土遊び、精密な掃除機の絵・配管まで詳しく書き込まれたトイレの絵などをサインペンで描いて遊ぶのが好きだったという。養護学校中学部の頃、美術教師が用意してくれた青い大きな画用紙の真ん中に、色紙の魚を一匹切り抜いて貼り付けたのがきっかけだった。まさに、水を得た魚のように、その後は「ハサミ・画用紙・色紙・のり」によって次々と作品を生み出している。切り絵ならではのシャープで変形された形、文字との調和、色彩の鮮やかさ、厚塗りの糊によってつくりだされテクスチュアなどが独特な世界を作りだしている。
これらの作品は、画材など環境設定を家族が支援し、自宅で制作したものである。

展示経歴

2006年  アートキャンプ2006「素朴の大砲」展(浦添市美術館)

2008年  アートキャンプ2008「素朴の大砲」展(県立博物館・美術館)

           「飛行する記憶」展(滋賀県)

2009年  スピリット・アート・ミュージアムに掲載(インターネット)

2010年  アール・ブリュット ジャポネ展(フランス)

2011年  「もじ・コトバ・線と点がつなぐもの」展(栃木県・もう一つの美術館)

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)




上里 浩也 

那覇市在住
所属:社会就労センターわかたけ

彼の代表的な作品は紙とセロハンテープのみでつくられた20数機の旅客機である。機体表面の各航空会社のデザインは、慎重にロゴを描き、紙を何枚も詰め込み、正確なディテールと重量感をたたえているのに対して、翼部分は簡素なつくりで彼の興味がどこに向いているのかが垣間見える。その作品の魅力は、生真面目な手仕事と模倣から生まれるポップな感触にある。
その後、彼の関心は、国旗、カード、ロゴマークなどに移って行く。しかし、執拗なまでの切り抜きとセロテープの多用は彼の変わることのない一貫した手法で、その行為が独特のテクスチュアと存在感を生み出している。



展示経歴

2001年  アートキャンプ2001「素朴の大砲」展(浦添市美術館)

2003年  「図鑑天国~世界を楽しむ8つの術」(大阪府)

           DNAパラダイス~21人のアウトサイダーアーティストたち」に作品収録

2005年  国立民族博物館企画展「プリコラージュ・アート・ナウ」(大阪府)

2006年  アートキャンプ2006「素朴の大砲」展(浦添市美術館)

2008年  アートキャンプ2008「素朴の大砲」展(県立博物館・美術館)

2009年  スピリット・アート・ミュージアムに掲載(インターネット)

2010年  アール・ブリュット ジャポネ展(フランス)

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)




亀沢 克弥  

那覇市在住  
所属:社会就労センターわかたけ

学校時代から絵を描くことが好きで、卒業後もそうした活動を行っている所はないかと思いながら、3年前にわかたけへ。毎週の創作活動で次第に独特な作品をつくりだすようになる。彼の主題は、自分の物語の中に登場するモンスター(戦士)たちや未来の街の鳥瞰図で、その二つをほぼ交互に制作している。新しい作品を描く時は、かなり考え込み構想を練る。そして、鉛筆で下書きをしたとペンで仕上げるのだが、いったん動き出した手は止まることがない。
ここに展示しているのは学生時代から現在に至るまでの約8年の作品で、独創的な形や平面分割の面白さ、色彩の鮮やかさが目を引く。

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