2013年9月3日火曜日

作家プロフィール:志多伯 逸/土田 政一郎/山城 誠/木下 航/勝連 盛信

志多伯 逸  

宜野湾市在住  
所属:社会就労センターわかたけ

 彼の主題は、学生時代から花火とエスカレーター。自分の想像によってつくり出したもので、実在するものはほとんどない。自分の考えた架空の設定を、人に説明するのも楽しみのひとつ。主に鉛筆で描き、ペンや絵の具を準備しても手を出さない。花火の絵は白い画用紙に鉛筆で描いたが、高校生の頃、美術教師のアドバイスで今のスタイルに変わった。一見まったく違う画風にみえるが、いずれの作品も、飽くことなく幾重にも線を重ね、そのことが作品の強度を生み出している。
現在も、わかたけの創作活動では、もっぱらエスカレーターを、自宅では花火とエスカレーターを描きつづけている。その作品数は膨大な数になる。



展示経歴

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)







土田 政一郎  

浦添市在住  
所属:社会就労センターわかたけ

 4年前、わかたけで毎週創作活動の時間が設定された頃、彼はわかたけを利用するようになり、絵を描き始める。最初に描いたのはパナソニックのちょうちん。その後も、松下電器の歌のない歌謡曲からナショナル電機、パナソニックに至るまで、ため込んだ情報を披歴しながらパナソニックシリーズは続いている。今は使われない「ゐ」や「ラヂオ」などの表現も彼特有のこだわり。地デジ化が気になった頃は、自分に言い聞かせるように、くり返し地デジのお知らせを描いていたが、無事地デジがスタートすると、はたと描かなくなる。
心が落ち着かない時も、絵を描き出すと気持ちが集中、彼にとって充実したひと時となっている。



展示経歴

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)





山城 誠  

読谷村在住   
所属:渡慶次小学校

 作品から想像もつかないが、彼はまだ小学校5年生である。3,4歳の頃から宗教的な匂いのする仏、地獄、神社、墓などに興味を持つようになったという。身近な素材を使ってものづくり楽しむこともあったが、それらの作品は残っていない。
小学校4年になって、担当教師の配慮により、学校で描いたり作ったりできる環境が提供される中で、これらの作品は作られた。
20メートルに及ぶ「地獄絵巻」は、オリジナルのストーリーをもとにボールペンで試作品を描き、約半年をかけて毛筆や筆ペンで本作を仕上げた。緻密な線描の魅力に裏打ちされた不思議な力作である。今後、彼がどのような作品を見せてくれるのか楽しみである。



展示経歴

2013年  「沖縄アドベンチャー」展(岩手県・るんびにい美術館)




木下 航  

糸満市在住  
就労サポートセンター ミラソル

  離島にいた頃、小学校の先生が与えてくれた紙粘土が気に入り、それから自宅でも紙粘土を使っていろいろ作るようになったという。その後、本島に転居しても創作は続き、次第に独自な作品を生み出していく。
これらの作品は、高校生の頃、自宅で制作したもの。「テレビやネットでみた恐竜を自分でアレンジした」と本人は語る。下校後から夕食までの時間が彼の楽しい創作のひとときである。
 水を張った洗面器を床に置き、くり返しなでて、微妙な凹凸やシャープな先端を整えていく。その行為が、均整のとれたボリューム感とあいまって、作品の完成度をあげている。





勝連 盛信  

うるま市在住  

 迷いのない確信的な筆跡は、縦横無尽に嬉嬉と走り出しおどろくばかりのスピードでカタチを造り出します。誰がみても、どこからみても「盛信さんの絵」。その絵は、多くの出合いを生み出してきました。『ただかいた…』と仕上げの時の一言。ほんとうは、伝えたい思いのカタチ。
 盛信さんの絵は、最近、特におしゃべりになりました。それはどうしてかわからないけれども、いつかその絵が教えてくれるという予感があります。「かくこと」が彼を救い癒しています。
 「かくこと」は「生きること」。どんな苦難の中でもかきつづけてきた姿に、人の深さと尊さ、気高さがいつもあります。


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