藤野友衣 作 |
「アートキャンプ2001展~素朴の大砲~」で、目鼻の代わりに顔に文字や数字を描いた人物画を出展していた藤野さんは、小学生の頃から絵の制作と並行してぬいぐるみを作っていた。
彼女が自作のぬいぐるみを携えて得意げに登校していたのを見たことがあるが、その表現は絵の立体版といってよく、胴体に比べて小さな両手と目や鼻がない顔が印象的だった。
はたよしこ氏はその著書の中で顔を記号化することは、他者を理解するために彼女が会得した生きるための術であったのではないか、ということを述べられている。 旺盛な制作力は、彼女の周りで起こっている様々なことを理解するための彼女なりの必然と表裏一体だったのかも知れない。
現在、施設で働く彼女の仕事は、ぬいぐるみ作りである。果物などを擬人化したキャラクターは、いつも愛想良く微笑んでいる。彼女はこのキャラクターを頭の中でデザインするだけでなくフェルトなどを使ってぬいぐるみにするまでの工程を一人黙々と繰り返している。本島北部にある彼女の工房では、この可愛らしいぬいぐるみが毎日産声を上げているのである。
出品歴
2001年 「アートキャンプ2001展~素朴の大砲~」(沖縄)
2003年 「図鑑天国展 世界を楽しむ8つの術 」(大阪)
「DNAパラダイス-27人のアウトサイダーアーチストたち」に作品収録
2006年 「アートキャンプ2006展~素朴の大砲~」(沖縄)
2008年 「アートキャンプ2008展+マリオデルクルト写真展」(沖縄)
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